山の歌

私が本格登山を始めた昭和50年代、1980年前後、20歳代の頃は、いわゆる登山ブーム全盛期で、登山者の主力は20歳代がダントツでした。2大山岳雑誌「山と渓谷」「岳人」には社会人山岳会の会員募集の広告が多数掲載されていました。

私も、とある社会人山岳会に入会しました。当時は、週休二日制などはほとんど普及していませんでしたが、日曜のみの山行であっても、土曜夜に集合して、登山口でテント泊、夜はアルコールが入って、皆んなで良く歌を歌ったものです。また、どの山岳会でも歌集が配布されていたようです。

その歌集も処分してしまったのが悔やまれます。楽譜、曲、歌詞などは著作権保護の対象になっているようで、ネットではなかなか入手できないのです。

ところで、「山の歌」と言えば、まずダーク・ダックスの次の2つの歌が良く知られているのではないでしょうか?

「山男の歌」歌:ダーク・ダックス、曲:「巡航節」の替え歌

娘さんよく聞けよ 山男にゃ惚れるなよ 山で吹かれりゃよ 若後家さんだよ

山男よく聞けよ 娘さんにゃ惚れるなよ 娘心はよ 山の天気よ

娘さんよく聞けよ 山男の好物はよ 山の便りによ 飯盒の飯だよ

ナーゲル踏みしめ 尾根行く心はよ 仰ぐ白峰(しらね)のよ 北岳ピークよ

春夏秋冬(はるなつあきふゆ) 山行く心はよ 希望大きくよ 親しい友とよ

登頂の終わりの ヤッホーが響けばよ 今の苦労もよ どこ吹く風だよ

「雪山讃歌」歌:ダーク・ダックス、曲:アメリカ民謡、詞:西堀栄三郎(京都大学学士山岳会)

雪よ岩よ われ等が宿り
俺たちゃ 街には
住めないからに

シール外して パイプの煙
輝く尾根に
春風そよぐ

煙い小屋でも 黄金の御殿
早く行こうよ
谷間の小屋へ

テントの中でも 月見はできる
雨が降ったら
濡れればいいさ

吹雪の日には 本当に辛い
ピッケル握る
手が凍えるよ

荒れて狂うは 吹雪か雪崩れ
俺たちゃ そんなもの
恐れはせぬぞ

雪の間に間に キラキラ光る
明日は登ろうよ 
あの頂に

朝日に輝く 新雪踏んで
今日も行こうよ
あの山越えて

山よさよなら ご機嫌宜しゅう
また来る時にも
笑っておくれ



登山者のなかで最も先鋭的なタイプが「クライマー」という人種です。

週休二日制がまだ一般的でなかった登山全盛期の時代、

東京から夜行日帰りで登れ、
かつ北アルプスの剱岳穂高岳に匹敵する大岩壁を擁する谷川岳が
「近くて良き山」

として、とりわけクライマー達にもてはやされました。

その結果が、 1931年(昭和6年)から統計が開始された谷川岳遭難事故記録によると、2012年(平成24年)までに805名の死者が出ている、という死者数のギネス記録となっています。
 
[昭和38年5月] 中日ニュース No.486_2「死の山の記録」


それでは、このような谷川岳に挑んだクライマーの心意気を歌った歌をどうぞ!

  「谷川小唄」曲:「海軍小唄」(ズンドコ節)の替え歌、詞:富岡久也(クライマー)

夜の上野のプラットホーム
可愛いあの子が涙で止める
止めて止まらぬおいらの心
山は男の度胸試し とこずんどこずんどこ

粋なチロルよザイルを肩に
行くよ谷川ちょいと一ノ倉
仰ぐ岩壁朝日に映えて
今日はコップが滝沢か、とこずんどこずんどこ

行こか戻ろか南稜テラス
戻りゃおいらの男が廃る
行けばあの娘が涙を流す
山の男はつらいもの、とこずんどこずんどこ

歌うハーケン伸びろよザイル
なんのチムニーオーバーハング
軽く乗り越し目の下見れば
霧が流れる本谷へ、とこずんどこずんどこ

悪い草付き慎重にこせば
やっととびでる国境稜線
固い握手に心も霧も
晴れて見えるよオキの耳、とこずんどこずんどこ

右に西黒左にマチガ
中にひとすじ西黒尾根を
今日の凱歌に足取り軽く
駆けりゃ土合もはやまぢか、とこずんどこずんどこ

さらば上越湯檜曽の流れ
さらば土合よ谷川岳よ
またの来る日をこころに誓い
たどる列車の窓の夢、とこずんどこずんどこ



私の若い頃の登山全盛期には、大半の山岳会が、既成の登山道を辿って歩く一般登山に飽き足らず、いわゆる欧米風アルピニズム、即ち、冬山登山や岩壁登攀を競って目指していたために、新入会者には、激しい訓練いわゆる「シゴキ」が課せられました。その激しさは、おおむね、私大山岳部>国公立大山岳部>>社会人山岳会>>職域山岳会、の順であったようです。

当時、「シゴキ」は大学の運動クラブ全般で蔓延しており、その中で起きた事件に下記がありました。

農大ワンゲル部死のしごき事件
http://yabusaka.moo.jp/noudai.htm

私も、若い頃、京都北方の愛宕山頂上から少し下ってゆくと、いかにも重たそうなキスリング(帆布製の横長ザック)を背負った学生が登ってきました。さらに下ってゆくと、次々と同様の風体の学生に出会いました。

下になればなるほど疲れた様子で、中腹以下になると、のけ反り喘ぎ登る学生のキスリングから「石」が覗き、更に下ると、なんと、喘いで今にも倒れ込みそうな学生を何も荷物を担いでいない上級生風の学生が罵声を浴びせて棍棒でしばきあげていました。キスリングには確か「関西大学」と書かれてあったと思います。軟弱な私は、私大のシゴキの凄まじさに震え上がりました。

私が大学に進学した時、父親に大学山岳部入部を強硬に反対され、仕方なく社会人山岳会に入会したのも上記のような背景からです。

ネットで見たジョークに、母親が大学進学した息子に
「御願いだから、学生運動と山岳部だけはやめて!」
というのがありました(笑)。

なお、誤解のないように断っておきますが、上記の訓練は、

ボッカ訓練(歩荷訓練)といってわざとザックに石や砂を入れて重くして担ぐ基本的訓練

でありその目的は

重荷に耐え、かつ安定した歩行技術を会得するため

であり、現在でもまともな山岳会なら大なり小なりどこでもやっていることです。

さて、そのような厳しくシゴかれる新人部員の様子を歌った歌が下記です。

「新人哀歌」曲:『練鑑ブルース』さらに遡れば『可愛いスーチャン』の替え歌、詞:いくつか存在

いいぞいいぞと おだてられ
死に物狂いで 来てみれば
朝から晩まで 飯たきで
景色なんぞは 夢のうち
  
チーフリーダーは 爺くさい
サブリーダーは 婆くさい
あとのメンバーは エロくさい
メッチェン通れば 頭右
  
二年部員は 小生意気
先輩なにかと 話好き
地獄の二丁目 山岳部
好んではいる 馬鹿もいる
  
蝶よ花よと 育てられ
何の苦労も 知らないで
ボッカ稼業に 身をやつし
泣き泣き登る 雪の山
  
家へ帰ればお坊っちゃま
山へはいれば 新部員
何の因果でしごかれる
まぶたに浮かぶ 母の顔
  
いわゆるアノコはお嬢さま
おれはしがない 山がらす
月を眺めてあきらめる
笑ってくれるな お月様

(別の歌詞)

嫌だ嫌だよワンゲルは
お偉い顔した人ばかり
一つや二つの年ちがい
どうしてそんなに偉いのか

部長先輩雲の上
三年 四年はお偉くて
二年のガキども山の上
大山の大将で大いばり

いばりなさるな二年生
一年無駄めし先に食い
揃いも揃ってごくつぶし
一年前を忘れたか

パイプくわえてのし歩き
あごでしゃくって指図する
リーダーと立てればつけあがり
昼寝ばかりが能じゃない

時告ぐ鶏ではあるまいに
朝も早くから起こされて
米とぐ水の冷たさよ
国の母さん恋しかろ

可哀そうだよ新人さん
新人歓迎でおだてられ
ホンワカしたのも夢の中
新人錬成でしごかれた

いいぞいいぞとおだてられ
死物狂いで来て見れば
朝から晩まで飯炊きで
景色なんぞは夢の内

チーフリーダーはじじくさい
サーブリーダーはばばくさい
後の部員はエロくさい
メッチェン通れば頭右

二年部員は小なまいき
新米何かと話し好き
地獄の二丁目山岳部
好んで入る馬鹿もいる

蝶よ花よと育てられ
何の苦労も知らないで
ボッカ稼業に身をやつし
泣き泣き登る雪の山



「山の歌」は「文部省唱歌」と同じく日本語歌詞とメロディーが無理なくマッチしていますね。それに引き換え、近年のジェーポップだかそのパクリのケーポップだか知らないが、日本語歌詞を無理やりメロディーにこじつけています。

「穂高よさらば」
歌:ダークダックス、曲:軍歌「雷撃隊出動の歌」古関裕而、詞(1番のみ):芳野満彦(登山家)

穂高よさらば 又来る日まで
奥穂に映ゆる あかね雲
返り見すれば 遠ざかる
まぶたに残る ジャンダルム

滝谷さらば 又来る日まで
北穂へ続く 雪の道
返り見すれば 遠ざかる
まぶたに残る 槍ヶ岳

涸沢さらば 又来る日まで
横尾へ続く 雪の道
返り見すれば 遠ざかる
まぶたに残る 屏風岩

岳沢さらば 又来る日まで
前穂を後に 河童橋
返り見すれば 遠ざかる
まぶたに残る 畳岩

「坊がつる讃歌」歌:芹洋子、曲詞:広島高等師範学校の山岳部歌の替え歌

人みな花に酔う時も 残雪恋し山に入り
涙を流す山男 雪解の水に春を知る

ミヤマキリシマ咲き誇り 山くれないに大船の
峰をあおぎて山男 花の情けを知るものぞ

四面山なる坊がつる 夏はキャンプの火を囲み
夜空を仰ぐ山男 無我を悟るはこの時ぞ

いで湯の窓に夜霧来て せせらぎに寝る山宿に
一夜を憩う山男 星を仰ぎて明日を待つ

「広島高等師範学校の山岳部歌」歌:緑咲香澄

同じ山への憧れを 胸に抱いて行く道は
教えの道ぞ山男 広島高師の山男

人みな花に酔う時も 残雪恋し山に入り
涙を流す山男 雪解の水に春を知る

広島の山は低くとも 夏は故郷の山が待つ
岩をよずれば山男 無我を悟るはこの時ぞ

深山紅葉に片時雨 テント濡らして暮れてゆく
心無き身の山男 物の哀れを知る頃ぞ

町の乙女ら想いつつ 尾根の処女雪け立てては
シュテムボーゲン山男 浩然の気は止み難し

同じ教えの道を行き 瞼に浮かぶ山の道
道は一つぞ山男 広島高師の山男



「癒やし」「笑い」が免疫力を向上させることは医者も認めています。コロナ不安症候群は却って免疫力を低下させ重症化につながりますので、マスコミやネット界隈のデマもどき情報や新興宗教なんかに縋るより「山の歌」で癒やされてくださいね!

「岳人の歌」歌:青柳常夫

星が降るあのコル グリセードで
あの人は来るかしら 花をくわえて
アルプスの恋歌 心ときめくよ
懐かしの岳人 やさし彼(か)の君

白樺にもたれるは いとし乙女か
あの黒百合の花を 胸に抱いて
アルプスの黒百合 心ときめくよ
懐かしの岳人 やさし彼の君

「エーデルワイスの歌」歌:ダーク・ダックス

Edelweiss, Edelweiss
Every morning you greet me

Small and white
clean and bright
You look happy to meet me

Blossom of snow
may you bloom and grow
Bloom and grow forever

Edelweiss,Edelweiss
Bless my homeland forever.



子供の頃、父親によくスキーに連れていってもらいました。朝暗いうちからスキーを担いで最寄り駅に急かされたり、大阪駅でスキー客に揉みくちゃにされながら必死で夜行列車に乗り込んだりしたものです。スキー板はヒッコリーの合板、靴は革製、ストックはトンキン竹製、懐かしいです。その頃、テレビでよく耳にしたのが下記です。

「白銀は招くよ」
コルチナ冬季五輪三冠王トニー・ザイラー主演の同名映画の主題歌の日本語版

雪の山は友達
招くよ 若い夢を
ホーヤッホー! ホーヤッホー!
歌声も招く

雪の山は友達
走れ若い心よ
ホーヤッホー! ホーヤッホー!
歌声も走る

沸き上がる雲 樹氷の林
輝く銀のスロープ
あふれる力 飛ばせスピード 
雪煙を蹴散らそう!
何かすばらしいことに
ヤー! 今日はであいそうだ

雪の山は友達
招くよ 若い夢よ
ホーヤッホー! ホーヤッホー!
歌声も招く

雪の山は友達
走れ若い心よ
ホーヤッホー! ホーヤッホー!
歌声も走る

けれどいつかは 山にお別れ
雪よ夢よさようなら
街のくらしが やがてはじまり
夜の窓で思い出す
それは なつかしい歌さ
ヤー! 山を偲ぶ歌さ



大学生になって社会人山岳会に入り山スキーを始めました。山スキーの歌と言えば、下記がありました。

「シーハイルの歌」歌:さとう宗幸 
シーハイル(Schi Heil、ドイツ語)=スキー万歳!

岩木のおろしが 吹くなら吹けよ
山から山へと 我等は走る
昨日は梵珠嶺(ぼんじゅうね) 今日また阿闍羅(あじゃら)
煙立てつつ おおシーハイル

ステップターンすりゃ たわむれかかる
杉の梢よ 未練の雪よ
心は残れど エールにとどめ
屈伸滑降で おおシーハイル

夕日は赤々 シュプール染めて
辿る雪道 果てさえ知らず
街にはちらほら 灯りがついた
ラッセル急げよ おおシーハイル



この動画には投稿者自身の山の思い出が綴られていますね。特に、鈴鹿山系の御在所、釈迦ヶ岳、朝明渓谷、愛知川渓谷と思しき画像が散見されていて親しみが持てます。

「山の友に」歌:ダーク・ダックス、曲詞:戸田豊鐡
昭和27年、作者が旧制、成蹊高校(現 成蹊大学)在籍時、学校の山小屋「虹芝寮」での生活の思い出・感激を曲にまとめたもの。

薪割り 飯炊き 小屋掃除
みんなで みんなで やったっけ
雪解け水が冷たくて
苦労したことあったっけ
今では遠く みんな去り
友をしのんで 仰ぐ空

幕営 グリセー 岩登り
みんなで みんなで やったっけ
岩のなだれをひきおこし
苦労したことあったっけ
今では遠く みんな去り
友に写真に眺めいる

堅炭、八峰、ジャンダルム
皆で皆でやったっけ
ルンゼで雨にたたかれて
苦労したことあったっけ
今では遠く皆去り
友の姿を夢に見る

前傾 外傾 全制動
みんなで みんなで やったっけ
雪が深くて ラッセルに
苦労したことあったっけ
今では遠く みんな去り
友に便りの 筆をとる

唐松萌ゆる 春山に
みんなで みんなで 行ったっけ
思わぬ雪に ワカン履き
苦労したことあったっけ
今では遠く みんな去り
山よお前は わが心
山よお前は わが心

「山の子の歌」

歌声が あの小道に ひびけば
あの森影 あの谷間 山にこの歌
山の子は 山の子は 歌が好きだよ

雨が降り テルテル坊主が 泣いても
わたしたちは 泣かないで 山をみつめる
山の子は 山の子は みんな強いよ

雲が去り 青いみ空が 見られりゃ
歌いましょう 山鳩の 兄といもうと
山の子は 山の子は みんな仲良し

アルプス一万尺(1番~29番まで)
歌:ハニー・ナイツ、曲:YankeeDoodle(アメリカ民謡)、詞:不詳

アルプス一万尺 小槍の上で アルペン踊りを さあ踊りましょ

昨日見た夢 でっかいちいさい夢だよ のみがリュックしょって 富士登山

岩魚釣る子に 山路を聞けば 雲のかなたを 竿で指す

お花畑で 昼寝をすれば 蝶々が飛んできて キスをする

雪渓光るよ 雷鳥いずこに エーデルヴァイス そこかしこ

一万尺に テントを張れば 星のランプに 手が届く

キャンプサイトに カッコウ鳴いて 霧の中から 朝が来る

染めてやりたや あの娘の袖を お花畑の 花模様

蝶々でさえも 二匹でいるのに なぜに僕だけ 一人ぽち

トントン拍子に 話が進み キスする時に 目が覚めた

山のこだまは 帰ってくるけど 僕のラブレター 返ってこない

キャンプファイヤーで センチになって 可愛いあのこの 夢を見る

お花畑で 昼寝をすれば 可愛いあのこの 夢を見る

夢で見るよじャ ほれよが浅い ほんとに好きなら 眠られぬ

雲より高い この頂で お山の大将 俺一人

チンネの頭に ザイルをかけて パイプ吹かせば 胸が湧く

剣のテラスに ハンマー振れば ハーケン歌うよ 青空に

山は荒れても 心の中は いつも天国 夢がある

槍や穂高は かくれて見えぬ 見えぬあたりが 槍穂高

命捧げて 恋するものに 何故に冷たい 岩の肌

ザイル担いで 穂高の山へ 明日は男の 度胸試し

穂高のルンゼに ザイルを捌いて ヨ-デル唄えば 雲が湧く

西穂に登れば 奥穂が招く まねくその手が ジャンダルム

槍はムコ殿 穂高はヨメご 中でリンキの 焼が岳

槍と穂高を 番兵において お花畑で 花を摘む

槍と穂高を 番兵に立てて 鹿島めがけて キジを撃つ

槍の頭で 小キジを撃てば 高瀬と梓と 泣き別れ

名残つきない 大正池 またも見返す 穂高岳

まめで逢いましょ また来年も 山で桜の 咲く頃に



山の遭難は交通事故と同様、少々減少させることはできても無くすことはできないでしょう。
その原因は自分では如何ともし難い潜在意識によるところ大だからです。

「雪山に消えたあいつ」歌:ダーク・ダックス、曲:上条たけし、詞:沢の井千恵児

山が生命と笑ったあいつ
山をいちばん愛したあいつ
雪の穂高よ答えておくれ
俺にひとこと教えておくれ
なんで吹雪にあいつは消えた

重いザイルをかついだあいつ
銀のピッケル振ってたあいつ
山をこの俺うらみはせぬが
あんないい奴どこにもいない
なんで吹雪にあいつは消えた

夢に破れて帰らぬあいつ
雪に埋もれて眠ったあいつ
山の木霊よ返しておくれ
俺にもう一度優しい笑顔
なんで吹雪にあいつは消えた

「いつかある日」歌:ダークダックス

いつかある日 山で死んだら
古い山の友よ 伝えてくれ

母親には 安らかだったと
男らしく死んだと 父親には

伝えてくれ いとしい妻に
俺が帰らなくても 生きて行けと

息子達に 俺の踏み跡が
故郷の岩山に 残っていると

友よ山に 小さなケルンを
積んで墓にしてくれ ピッケル立てて

俺のケルン 美しいフェースに
朝の陽が輝く 広いテラス

友に贈る 俺のハンマー
ピトンの歌声を 聞かせてくれ

「山の大尉」歌:ボニージャックス、編曲:富永三郎、詞:上坂茂男

山の大尉は 傷ついた
部下の山岳兵達に
もう一度ここで 逢いたいと
息絶え絶えに ことづけた

部下の山岳兵は ことづけた
行くには 靴が無いと
たとえ靴が無くても
ここに来てくれ 我が部隊

陽はさし昇る 山の朝
山岳兵は 訪れた
「大尉殿 何の命令です
われ等は ここに着きました」

「私の体を五つに
切ることを命じます」
始めのそれは 皇帝へ
命ささげた 記念にと

二つ目のそれは 連隊に
大尉であった 記念にと
三つ目のそれは 我が母に
息子の兵の 思い出に

四つ目のそれは 愛人へ
わが初恋の 思い出に
最後のそれは 山々を
バラで埋めよ とこしえに



私は、小学生の頃、「引っ込み思案」なのを心配した母親に、カブスカウトに入れられました。その後、ボーイスカウトシニアスカウトまで進みました。

ボーイスカウト運動とは、1900年代初頭にイギリスのバーデン・パウエル卿が創始した野外活動を通じた青少年育成活動で、モットーは「そなえよつねに」、原則は「政治的宗教的に中立」です。

最初の野営(キャンプ)は泉南にある自衛隊の信太山駐屯地でしたが、初めて「寝袋」なるものに潜り込んだ時に閉所恐怖症的な圧迫感を経験したことを覚えています。テントは自衛隊払下げの帆布製の超重たい代物でした。

もちろん、しばしばキャンプファイヤーをし、決まって歌を歌いました。

「山賊の唄」歌:ダーク・ダックス
雨が降れば小川ができ 
風が吹けば山ができる
ヤッホーヤホホホー 淋しいところ
ヤッホーヤホホホー 淋しいところ

夜になれば空には星 
月が出ればオイラの世界
ヤッホーヤホホホー みんなを呼べ
ヤッホーヤホホホー みんなを呼べ

肩をくんだら明かりをつけろ
眠いカラスは起こすじゃないぞ
ヤッホーヤホホホー 夜明けはまだだ
ヤッホーヤホホホー 夜明けはまだだ
夜明けはまだだ

「クイカイマニマニ」曲:南米民謡、詞:高橋四郎

クイカイ マニマニマニマニ ダスキー
クイカイコー クイカイコー

クイカイ マニマニマニマニ ダスキー
クイカイコー クイカイコー

オニコディモ オーチャリアリ ウンパ
オニコディモ オーチャリアリ 
ウンパ ウンパ ウンパ ウンパ ウンパ ウンパ



キャンプファイヤーの最後はこの歌で決まり!ですね。

「遠き山に日は落ちて」歌:杉並児童合唱団、曲:ドボルザーク、詞:堀内敬三

遠き山に 日は落ちて
星は空を ちりばめぬ
きょうのわざを なし終えて
心軽く 安らえば
風は涼し この夕べ
いざや 楽しき まどいせん
まどいせん

やみに燃えし かがり火は
炎(ほのお)今は 鎮(しず)まりて
眠れ安く いこえよと
さそうごとく 消えゆけば
安き御手(みて)に 守られて
いざや 楽しき 夢を見ん
夢を見ん

「燃えろよ燃えろ」歌:杉並児童合唱団

もえろよ もえろよ
炎よ もえろ
火のこを 巻き上げ
天まで こがせ

照らせよ 照らせよ
真昼の ごとく
炎よ うずまき
やみ夜を 照らせ

もえろよ 照らせよ
明るく あつく
光と 熱との
もとなる 炎

一日の終わり (星影冴やかに)歌:ダーク・ダックス

星かげさやかに
静かに更けぬ
集いのよろこび
唄うはうれし

なごりはつきねど
まどいははてぬ
きょうのひと日の幸
静かに思う
静かに思う


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